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明日からできる「五色百人一首」~導入方法、毎日の取り組み方など~

五色百人一首 徹底解説

どんなクラスをもっても、学級経営を安定させることはとても大切です。学校や教室を、子供たちが安心して学べる場所にしたい。心からそう思います。

サンソン
サンソン

こんにちは、小学校教員のサンソン(@oakleyfreak1)です。楽しい毎日を過ごしていますか?今回は僕が学級で取り組み始めて10年になる「五色百人一首」について徹底解説します。

今では百人一首なしでの学級経営は考えられないぐらい、大切な取り組みの一つになっています。



この記事では、百人一首に取り組むメリット、初回の進め方や毎日の取り組みの仕方、大会の運営方法などについて紹介していきます。


また「4月の学級開きにおすすめのレク5選!」
という記事も合わせてご覧いただけたら幸いです。

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五色百人一首とは

通常の百人一首は100枚で行いますが、五色百人一首は青・桃・黄・緑・橙の各20枚に分かれています。そのため1試合3分程度で行うことが出来ます。


学級で五色百人一首をすると、こんなメリットがあります!
 1 学級がまとまる(静と動のメリハリをつけられる、勝敗を受け入れることができる)
 2 学級が知的になる
 3 男女の仲が良くなる



教師の指示を聞くことで試合は楽しくなり、次の札が読まれる間も静かにしなくてはいけません。また、試合の前後には握手をして挨拶をします。男女の手が自然と触れあうことによって男女の仲も良くなります。

概要:毎日、ペアで百人一首の対戦をします。勝敗によって番付が変わります。 

対象:小学校低学年~
人数:何人でもOK(ペア、または3人組でやります)
場所:教室
時間:慣れれば3分
準備:五色百人一首の取り札(クラスの人数の半分)、読み札(1セット)
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初回の進め方


製品を購入すると、上記のような指導の手引きがついてきます。基本的にはこの通りに進めれば問題ないと思います。

ポイントは「一度に全て説明しない」こと。実際に遊びながら、一枚読むたびに一つのルール確認を行っていきます。

動画のほうが分かりやすいという方は、五色百人一首公式の動画がありますので、こちらからご覧ください。文字がいい方は、そのまま下へどうぞ。

それでは、実際のやり取り例をどうぞ。

①2人組(学級の実態に応じて3人組)を作り、各組に五色百人一首の箱を1箱用意します。


②担任から以下のような話をします。
「今日からクラスで百人一首を始めます。百人一首は1000年以上前から続いているカルタに似た遊びです。クラスで百人一首をすると、4つのいいことがあります。


一つ目は賢くなります。百人一首には今では使われていない昔の言葉が書かれています。これを読んだり覚えたりすることで、頭が鍛えられます。」


二つ目は心が強くなります。勝負をしていると勝ったり負けたりします。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しいよね。でも百人一首ではそれを表には出しません。勝っても喜びすぎない、負けても悔しがらない。相手への礼を尽くすのです。そうするうちに、心が鍛えられていきます。」


三つ目は気持ちの切り替えが上手になります。百人一首は静かにしていないと読み上げる声が聞こえません。百人一首をしていると、盛り上がるときと静かにするときの切り替えができるようになっていきます。」


そして四つ目。何よりも、同じ楽しみを共有することでクラスの仲がよくなります。どう?楽しみながらこんなにいいことがあるなんて素敵じゃない?じゃあ早速始めよう!」



③2人組で机を向かい合わせましょう。箱の中から青札を出します。よく切って、人数分に分けます。大きい字が書いてある方が表です。横5枚、縦2段(上に5枚下に5枚)に並べます。
(3人の場合は、7枚・7枚・6枚で分け、自分の方に向けて並べる。)

④「握手をしながら『よろしくお願いします。』と挨拶をしましょう。」

「先生が上の句に続いて下の句を2回よみます。2回読んでいる部分が札に書いてありますから、それを取ります。」


「足引きの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を 独りかも寝む 長々し夜を 独りかも寝む」


「取れた人?」と聞いて手を挙げさせます。取った札は机の右か左に置きます。以下、一枚読むたびに一つのことを教えていきます。



「取るときは『はい』と言いなさい。」「はい」と言って取ることを教えます。教室が活気づきます。


「同時の時は、手が下の方が勝ちです。」


「どちらの手が下かわからない時は、小声でジャンケンをします。」


「詠んでいるときは、手を空中にブラブラさせてはいけません。」


「声を出した人は、お手付きとして一枚、札を出してもらいます。」これでざわついていたクラスがピタッと静かになります。


「〇〇君、声を出しているのでお手付きです。」これでさらに静かになります。


「間違えた札に触っても、お手付きです。自分の取った札から1枚、場におきます。」


「ここで取れた人が、さきほどのお手付きの札を1枚もらいます。2枚以上あっても1枚だけです」


「待っている間に裏を見ても良いです。ただし先生が札を読み終えたらすぐに終わりにしなさい。」


「立ってやりたい人は、立っても良いです。」以下、17枚まで読み上げる。


⑮「取った札の枚数を数えましょう。勝った人?負けた人?初めてなのに、1枚でも取れた人は合格です。勝ったり負けたりすると、心が強くなります。またやりましょう。」



初回は45分使って3回ぐらいやってもいいと思います。きっと「またやりたい!!」という声が多数出ますよ。

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毎日の取り組み方

100円ショップで手に入るケースで色別に管理

①さて、できれば毎日取り組めると効果的です。では「いつやるのか」。僕はここ数年は「国語の時間に導入として」行うことが多いです。

休み時間中に札の準備

チャイムと同時に挨拶

3分程度で終了

進出漢字や詩の音読。と、ルーティン化しています。


それ以外では、「朝の会のメニューに組み込む」「給食後の時間に行う」といった方法でもよいと思います。毎日、決まった時間に行うことで習慣化することができますよ。


②毎日行うようになると、いちいち箱ごと持っていって指定された色を出すのは面倒!そこで僕は100円ショップで手に入るプラスチックケースとジップバッグを使って色別に管理しています(写真参照)



次に対戦相手の決め方ですが、僕は「番付表」形式で行っています。30人のクラスだったら15の場があるわけですが、これを端の席から順番に

「横綱」
「大関」
「関脇」
「小結」
「前頭筆頭」
「前頭二枚目、三枚目・・・」とランク付けします。


最初の対戦は、自分の席からスタート。勝負に勝ったら一つ上のランクに上がり、負けたら一つ下がります。(関脇の席で対戦して勝ったら、次の日は大関の席で対戦する。負けたら小結へ降格)



この方式だと、毎日違う席で対戦することになるわけですが、デメリットとして自分の席が分からなくなるというものがあります。


そこで、その日どの席で対戦するのかが分かりやすいような工夫として、マグネットシートに名前を書かせて、次の日に対戦する机の横に貼っておくようにしています。


ちなみに僕は月に1回、クジで席替えをするので、席替えをするとリセットされます。(席替え前に横綱の二人にはみんなで拍手をしています)

ポイント

特に何も言わなくても、きっと子供達は楽しんでやるでしょう。でも一工夫をすると、もっともっと百人一首にハマります。


百人一首の楽しさ、それは何と言っても「上の句で札を取れた時」これに尽きます。



その楽しさを味わってしまったら、病みつきになります。そのために僕はまず
うかりける 人を初瀬(はつせ)の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
の札から教えます。


百人一首のルールを説明したとき、上の句で取れたら有利だということを説明しておきます。2戦か3戦が終わったあとにテレビに「うかりける」のカードを映して、「このカード覚え方があるんだ。これね、『うっかりハゲ』って覚えるんだよ」と話します。はい、語呂合わせです。


うっかりハゲになっちゃった。その面白さに子供達は一瞬でこのカードの取り方を覚えてしまいます。このような語呂合わせはネット検索でもたくさん出ますし、五色百人一首のための本も出ています。

語呂合わせを印刷して教室に掲示したり、給食の時間にテレビに映したりして紹介してみましょう。


次に、自分の好きな札を見つける。というのもおすすめです。自分の名前や文字が入っているとか、好きなアイドルグループの名前が入っているとか(嵐)、鳥が好きな子なら「ほととぎす」とか。あとは漫画や映画のタイトルにもなっている「ちはやふる」の札はどの学年でやっても人気があります。


ここまで来たら最後に、和歌の意味まで教えてみましょう。国語の時間などに2~3枚の意味を紹介し、この歌は恋の歌なんだよ、この歌は美しい風景を見た時の気持ちを表しているよ、など。そのうえで、自分の好きな札の意味を調べさせてみる。そうすると、ますます百人一首が好きになっていきますよ。

百人一首大会のススメ

毎日の百人一首が習慣化したら、ぜひ大会を行いましょう!事前に告知をしておけば、ものすごい盛り上がりを見せるはずです!5試合ほどの成績で順位をつけるのですが、僕はお楽しみ会を利用して一気にやったり、毎日1戦を繰り返して1週間かけてやったりと、年5回の大会を行います。(各色1回ずつ)


大会の方法としては、「スイスドロー式トーナメント」が適していると思います。聞きなれない方もいるでしょうが、トレーディングカードゲームの大会などで採用されている方式で、勝敗数が同じぐらいの人と当たるように組んでいく方式になります。つまり、強い人は強い人と当たりやすいわけです。これを5試合ぐらいやると、順位が出ます。


ただこのスイス式トーナメント、組み合わせを考えるのが大変というデメリットがあります。そこで僕は、大会の組み合わせを管理するのに、クイックトーナメントメーカーというアプリを使っています。無料のアプリで、人数を入れるだけで組み合わせが決まり、その後も各試合の結果を入れると次の試合の組み合わせを出してくれます。


せっかく大会を開くのだから、入賞者には賞状、優勝者には優勝カップを授与してみるのもいかがですか?優勝カップには刻印ができますので、「〇〇カップ 優勝」(担任の名前)とすると映えます。
優勝カップのいいところは「優勝杯返還」ができるところ。表彰式で授与したカップは教室に飾っておき、次の大会の時には返還してもらいます。


大会を繰り返すたびに増えていくリボンも、子供達のテンションをあげてくれますよ。ちなみにこの優勝カップ、百人一首だけではなく体育のバスケットボールリーグなどでも活躍します。





いかがでしたか?1日3分の取り組みで「ルール」が身に付き、クラスがまとまる!「五色百人一首」を紹介しました。学級崩壊を立て直した実績もあるそうですよ!
僕は今年も、百人一首の取り組みを進めていきたいと思います!興味をもった方は、ぜひ試してみてくださいね。

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございました。今後も、みんなが笑顔になれるようなレクの発信をしていきたいと思います。

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